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販売DXの鍵はお客様メリットを追求したオンラインとオフラインの融合

#効率化, #顧客満足

日鉄興和不動産株式会社

住宅事業本部 販売統括部 販売推進グループ チーフマネージャー 冨田 雄也様(写真右)、 住宅事業本部 販売統括部 販売推進グループ 鈴木 英太様(写真左)

日鉄興和不動産様に、マンション販売DXの取り組みについてインタビューさせていただきました。

(インタビュアー:株式会社スタイルポート 代表取締役 間所 暁彦)


【事業概要】

・日鉄興和不動産の住まい Life Design! with LIVIO:https://sumai.nskre.co.jp/

・マンションのオンラインストアsumune:https://sumune.com/

・LIVIO Life Design! SALON UENO:https://nskre.jp/life-design-salon-ueno/

・日鉄興和不動産株式会社​​:https://www.nskre.co.jp/


Index

新築分譲マンションの新たな販売手法に次々とチャレンジ

間所:マンション購入をオンラインで完結させた「BuyTap(バイタップ)」の第一弾「東京・銀座トライアングルプロジェクト(リビオレゾン入船)」や、業界初の体験型VRモデルルーム「リビオレゾン松戸ギャラリー/横濱ギャラリー」、マンションのオンラインストア「sumune(スムネ)」、業界内外で大きな注目を集めた3次元LEDシアターによる「LIVIO Life Design! SALON UENO(リビオライフデザインサロン上野)」と、革新的な取り組みに次々とROOV(ルーブ)をご採用いただきありがとうございます。改めて、お二人の役割について教えてください。

 

鈴木様:新築分譲マンションの広告販売戦略、及び企画を担当しています。また、販売DXの一貫として、LIVIO Life Design! SALON UENOのような合同ギャラリーや、オンラインストアsumuneなど、新しいシステムの企画・開発にも携わっています。

 

冨田様:当社は担当する物件数が多いため、1人がさまざまな企画に幅広く携わるのも特徴です。当社は開発から販売まで一気通貫の体制ではなく、販売は外部に委託しているため、我々の役割として横串ですべての物件の売り方を集約、統一することが期待されています。これまでにない販売手法やより効率的な手法を企画し、スタイルポートさんとのような取り組みを実現しやすいという点が、当社の大きな特徴だと思います。

 

間所:自主販売ではないことを逆手に取っているのですね。

 

冨田様:そうですね。そういったところからsumuneもスタートしています。

 

鈴木様:現場現場で、というのも絶対に大事ですが、少し違う視点から事業として考えることも当社の良いところだと思います。

 

間所:一般的に、デジタルシフトは痛みを伴うことも多く、現場の方の心理的な抵抗に合うとお聞きするのですが、御社の場合いかがでしょうか。

 

鈴木:結論から申し上げると、sumune以外はほぼなかったと思います。たとえばROOVを導入する時などは、我々若手にも裁量を持たせてくれていました。予算内であり、かつ導入に向けたロジックをもって説明ができれば、「任せた」といった形になり社内をまとめるのは難しくありませんでした。現場の方々にもROOVをうまく活用していただいています。ただsumuneに関しては大きなチャレンジでもあり、難しさはあると感じています。

 

間所:これによって突破できたのではないか、というような取り組みはありましたか。

 

鈴木:現場の声を聞き、課題をきちんと抽出したことです。たとえば、sumune販売住戸はsumuneでしか購入できないようになっていたのですが、現場でも購入できるようにしていこうと思っています。オンラインにこだわるのではなく、オンラインとオフライン、両方を柔軟に活用し、どちらでも購入できるストアにしていこうと考えています。

 

間所:業界中が注目していると思います。お聞かせいただきありがとうございます。

 

お客様が求めていること大切に – 「LIVIO」のリブランディング

 

間所:御社のマンションブランドである「LIVIO(リビオ)」の特徴を教えてください。

 

鈴木様:お客様の声、ニーズを収集し、型にはまらない柔軟な発想で、お客様にとっていいと思うことを形にする。徹底したお客様視点がリビオの特徴だと思います。また昨年から、リビオはリブランディングを進めています。高級志向路線ではなく、マンション購入を機に人生を考えていただき、「人生を豊かにするマンションブランド」を目指しております。

 

冨田様:お客様の暮らしぶりの調査として、私のような社員がお客様のご自宅にお伺いし、クローゼットの中まで拝見してお写真を撮らせていただいたりもします。LIVIOがお客様にとって価値あるマンションになるためのこうした活動一つ取っても、物事を考えたり、企画を考えるときに、お客様が何を求めているのかをとても大切にしています。

販売DX化において変えないこと・変えていくこと

間所:今進めているDXの活用や、今後の取り組みについてお聞かせください。

 

冨田様:販売現場のアナログな業務をさらにデジタル化していきます。パンフレットのデジタル化や、紙を減らす取り組みは今後も継続が必要だと思いますし、加えてオンラインでできることを増やすなど、sumuneのようながらりと手法を転換するいわゆるDXも進めていきますが、一方でこれまでオフラインで行っていたことをオンラインに切り替えるといった、デジタルへの置き換えも併せて大事だと思っています。3次元LEDシアターもsumuneもそうですが、これまでの販売方法にこだわらず、変化、進化をさせていきたいと思っています。

 

20年後には違う文化になっているかもしれませんが、今この瞬間は安心感を得たい、体感したいというお客様が圧倒的に多く、オンラインだけにこだわる必要はないと思っています。パソコンやスマホではできない体感や、実際に触れることにも需要があると思っており、LIVIO Life Design! SALON UENOで3次元LEDシアターを導入したことで、ギャラリーに足を運んでいただく価値が創出できたと確信しています。

 LIVIO Life Design! SALON UENOの3次元LEDシアター

DXはオンラインに情報を載せるだけが目的ではありません。オンライン・オフラインの適した使い分けや組み合わせを模索し、お客様にとってご都合の良い環境をいかに整えるか、選択肢をいかに広げられるか、より良い体験をいかに提供し、管理していくかがとても大切だと考えています。

VRは面白ネタではなくお客様が求める情報の提供手段

間所:DX施策をオンラインとオフラインで融合しながら進めていく中で、VR系のツールはどういった役割を果たしているのでしょうか。

 

冨田様:まず、想像していたよりも早くお客様が受け入れてくださっている、お客様に浸透していると感じています。3次元LEDシアターがあるLIVIO Life Design! SALON UENOの販売員によると、お客様は、VRを面白ネタではなく、「検討材料として参考になる」と思ってくださっているようです。

そもそもお客様は物件を購入したいと考えている訳ですから情報が欲しい。平面の間取図だけではなく、立体での広さや間取り、立体で初めてわかるお部屋の情報を欲している。もちろん、我々もこうした仮説を元にVRを導入しているのですが、それ以上にお客様がVRを平面では足りない情報を補足する有効なツールとされていると感じています。

3次元LEDシアターでは、VR内覧システム「ROOV walk」を壁面と床面のLEDに投影し、1つの空間で異なる間取りを体験できる

 

モデルルームではやはりお客様の気持ちが盛り上がりますし、お部屋自体もオプションなどで華美に装飾されています。モデルルームがいらないということではないのですが、「盛る」ことよりもいかに実物のお部屋を理解してもらうかということに意味があると思っています。

 

マンションが出来上がった時に、「思ったより狭いな」というようなギャップができてしまう前に、きちんと体感できる情報量を提供できているということが、ROOVを導入している意味なのではないかと思います。実物はないながらも、リアルを体感したという感覚や、実物はこうだよねと感覚的に知覚できる仕組みの取り組みは続けていきたいですね。

 

鈴木様:新築分譲マンションほど、お客様が買うものがまだ存在しない、見えないものはないと思います。だからこそ、VRで情報を提示することでイメージをサポートすることはとても大事だと感じます。また、VRはすでに販売員にとっても、販売現場でもオンラインでもなくてはならない存在になりつつあります。お客様とコミュニケーションをする際、VRを使うことで圧倒的に空間のイメージが伝わりやすいので、もはや「今回はVRなしです」というわけにはいかなくなっています。

 

間所:どうしてもリアルの接客に比べ、オンライン・デジタルの接客体験の質が少し落ちてしまいますよね。一方でリアルでは得られなかったこと、体験出来なかったことが、デジタルで可能になった、ということでしょうか。

 

冨田様:販売員の話術で「とても広がりがある」「眺望が良い」とお客様にお伝えするのではなく、VRでお客様に体感していただくと、伝わる情報量が圧倒的に違ってきます。VRの活用方法によっては、リアルでもオンラインでも、情報量や温度感をより丁寧に伝えることができる。そういったところにVRが果たす意味がとてもあるのではないかと思います。

業界のため、お客様のために、これからもROOVとともに

間所:数あるVRツールの中から「ROOV walk」を採用いただいている理由を教えてください。

 

鈴木様:現場で活用するとき、機能が多機能であること、特に自由に家具を動かしたり、室内を歩き回ることができるといった機能性に満足しています。また、ROOV walkを導入していく過程で、スタイルポートさんとのやりとりにストレスがほとんどない点が、正直なところとてもありがたいと感じています。

 

さまざまな依頼をさせていただいているのでVRに限ったことではないのですが、いつもこちらの依頼内容を正確に汲んでいただき、次に出てくるものにはそれがきちんと反映されています。当たり前のことかもしれませんが、毎回的確にアウトプットをいただけるところは非常に助かっております。そういったところからも「またスタイルポートさんにお願いしたいね」となっているのだと思います。

 

また、ROOV walkを導入していれば、ROOV walkのデータを元にして3次元LEDシアターのように、更なる活用ができる汎用性も魅力です。現在もデジタル模型について相談していますが、それならこうですね、といった感じでご提案いただける。どんどん発展した活用を検討できる点や、対応の柔軟性にとても好印象を持っています。

 

間所:ありがとうございます、まさに弊社が意識している点です。これまでのVRは主によく見せるためのプレゼンテーションツールとして使われてきましたが、我々はもう少し違う側面からアプローチしたいと考えてきました。人と人とのコミュニケーションを、VRを活用してどう円滑化できるかとさまざまなアイディアを考えています。また、社内で建築業界出身のチームと、3Dグラフィックのチームが融合して仕事をしているのも弊社の特徴です。両者が揃っていることが大きな強みであると思っています。

 

鈴木様:3次元LEDシアターをどのようにブラッシュアップしていくか、ちょうどご相談しているところですが、今後も販売現場のDX推進をご一緒していただくとともに、お客様の体験を向上していくための相乗効果を発揮できるような取り組みを、ご一緒にできるととても面白いと思っています。

 

間所:ありがとうございます。皆様と共に成長し、ご一緒できるように励んで参ります。本日はお時間をいただきありがとうございました。

 

 

※感染症対策のうえ取材を行い、撮影時のみマスクを外しご対応いただきました。

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