For Mansion
「皆がどう楽になるか、が事業主の仕事」— ROOV checkをハブにした情報連携が、関係者全員の工数を削減する。
#効率化

小田急不動産株式会社
住宅事業本部 開発企画部 マンション企画グループ 上席チーフ 川瀬 亮 様
デジタルツインソリューション「ROOV.space」を採用いただいた、31階建ての大規模タワーマンション「リーフィアタワー海老名クロノスコート」。
このプロジェクトの裏側で、関係者間の膨大な確認・修正業務を支えたのが、ROOV独自のチェックバックツール「ROOV check」です。
事業主としてプロジェクトを牽引された小田急不動産の川瀬様に、施工会社様とのコミュニケーションから、3Dだからこそ可能になったデザイン検討のプロセスまで、詳しく伺いました。
1.ROOV checkの活用:単なるチェックツールではない。情報の一元化による円滑なコミュニケーション
中村:本日はありがとうございます。まず最初にROOVの第一印象から教えてください。「リーフィアタワー海老名クロノスコート」で「ROOV.space」を採用いただいたのがきっかけでしたね。
ROOV.spaceとは:https://www.notion.so/roov/ROOV-space-f424ceec35964455b60ae7ee566e32ee
川瀬様:そうですね。これまでお客様に建物の全体像をお伝えする際は、建築模型が中心でした。ROOV.spaceの、該当住居が光るといったインタラクティブな機能は、非常に先進的で販売時の説明資料として使いやすそう、というのが第一印象です。
その一方で、初めてのVRチェック担当で作業量が未知数だった上、チェックするモデルが初回から完成度が高く、「どこから見れば…」と戸惑いがあったのも正直なところです。
石山:ROOV checkを、単なるチェックツールとしてだけでなく、施工会社様とのコミュニケーションツールとして積極的に活用されていたのが印象的でした。
川瀬様:施工会社さんとは日頃から連携が取れていたので、事業主判断が必要な箇所に弊社がすぐコメントを返す、といった使い方ができました。情報が残り、一元化されているのは非常に楽でしたね。
川瀬様:今回はBIM活用という挑戦もありましたが、施工会社さんにその重要性をご理解いただけたことも成功の要因です。データ提供やROOV checkの積極的な活用など、非常に協力的でした。業界全体の「BIM活用の波」と、我々の取り組みがうまく合致したのだと感じています。
2.ROOV checkの効果:3Dならではの認識速度とデザイン検討
川瀬様: 細かい収まりは、これまで2Dの図面で確認するのが当たり前でした。しかし、3Dモデルで立体的に見せてもらうと、腑に落ちるまでのスピードが全く違います。この“認識の速度”は2D図面では得られないもので、現場の判断スピードを大きく向上させたと感じています。
中村:ROOV check上での検討が、デザインの具体的な変更に繋がったようなケースはございましたか?
川瀬様:例えば、ブライトラウンジの窓枠と手すりの高さを揃えるといった細かな調整は、実際に3Dで見なければ気づけなかった点ですね。
川瀬様:窓の大きさも、室内から見れば「もっと大きくても良い」という意見がありましたが、外から見るとバランスが良くない。内外の視点から総合的に検討できたのは、3D空間を自由に見て回れるROOV checkならではだと思います。
川瀬様:他にも、エントランスの本棚の割り付けが、VR上で議論した結果、もともとの4つ割りから、中央のアートがより引き立つ3つ割りに変更になりました。この変更は、もちろんCGパース側にも反映されています。
3.関係者全員の工数削減を目指して
中村:特に効果的だったと感じたのは、川瀬様がハブとなって他の制作物の修正指示をROOVに「横展開」されていた点です。私たちが理想とする使い方でした。
川瀬様:まさに、そこが事業主の腕の見せ所ですね。施工会社さんは、施工と並行して販売資料もチェックしなくてはならず、非常に負担が大きい。そこで、CGパースで出た指示をスタイルポートさんにも共有してROOVに反映してもらうことで、施工会社さんが本来見るべき部分に集中できる。結果として、プロジェクト全体の回転率が上がるのです。
私たちの役割は全体方針を管理することですが、最も重視しているのは、関係者の負担をいかに軽減し、プロジェクトが滞りなく進む環境を作るか、という点です。
石山:ROOVの3Dデータを動画や静止画パースにも流用しましたが、チェック工数の削減という面ではいかがでしたか?
川瀬様:ROOVで既にチェックしたものが前提になっているので、建築側としては、正直ほぼノーチェックでした。バラバラに作るとどうしてもボタンの掛け違いが起こりますが、今回はその心配はありませんでした。
4.今後の展望:デジタルツールは、いかにして建築業界の働き方を変えるか
川瀬様:個人的には、こういったデジタルツールを活用して、業界全体の働き方を変えていきたいと思っています。皆がどう楽になるか、そのために業界の課題を解決するツールになっていくことを、これからも期待しています。
中村・石山:本日は貴重なお話をありがとうございました!
For Mansion
#効率化