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サーパスシリーズにROOV標準採用、積極的な情報公開で地方展開の強みを加速
#効率化
株式会社穴吹工務店
事業管理部 販売戦略室 営業推進課 課長 土田 正道 様(写真右)、事業管理部 販売戦略室 営業推進課 主任 川田 真一郎 様(写真左)
サーパスシリーズにROOVを標準採用いただいた経緯・今後の展開についてインタビューさせていただきました。
(インタビュアー:株式会社スタイルポート 代表取締役 間所 暁彦)
【事業概要】
・サーパスの穴吹工務店住まい総合サイト:https://www.384.co.jp/
・地方都市に住むという選択:https://www.384.co.jp/ijusite/?d=no&n=midorii
サーパスシリーズにROOV compass標準採用決定の背景
間所:この度は、サーパスシリーズ全物件にマンション販売支援サービス「ROOV compass」を標準採用していただくご決定、ありがとうございます。ROOV(ルーブ)との出会いから、現在に至るまでのお話を伺えますか。
土田様:前任者から「スタイルポートさんのROOVというツールがある」と引き継ぎを受けたのがはじまりです。そこから、販売現場に対し「こういったツールがありますよ」と紹介していきました。最初は対象物件をいくつか絞って導入しましたね。使ってみたいと声があがった物件であったり、ROOVを活用した販売施策を企画すると良いと思った物件に対して展開しました。ROOVを全物件に導入することで、お客様への情報のシェアなどが容易になれば、営業推進課の新たな取り組みとなるのではないかと期待させていただいています。
間所:ありがとうございます。土田様、川田様が所属されている営業推進課様は御社でどのような役割の部署になられるのか教えてください。
土田様:以前は販売現場によって採用する施策にバラつきがありました。また、不動産業界でもデジタル化やDX化への急速な変革期を迎えています。そのような要因に対応すべく、ROOVの採用を検討するなど新しい施策の導入をサポートしたり、好事例を水平展開する部署として約2年前に立ち上げられました。立ち上げと同時に私も配属されました。
間所:ちょうど新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた時期ですね。
土田様:新型コロナウイルス感染症の影響で非対面推奨の時期でしたので、配属されて最初の課題が「オンライン商談を進める」ことでした。まったく何も準備されていないところからミーティングツールをいろいろと試し、最終的にはzoomを使用することになったのですが、オンライン商談を準備し浸透させていく中でさまざまなデジタルツールに触れ、DX化の一端となるような1年になりました。
間所:新型コロナウイルス感染症蔓延の最初の頃、ほとんどのデベロッパー様から、オンライン商談を取り入れてみたものの、本部の思いと現場との連携がなかなかスムーズにいかず、難しい判断をされたケースをお聞きしました。御社でROOVの活用が進んだきっかけになった取り組みなどはありますか。
土田様:初めはどうしても不慣れですから「なかなか使うのが難しい」という声もあり、実は当初、ROOVも利用回数が伸び悩みました。zoomやteamsなどのミーティングツールも同じですが、ROOVもデジタルツールの1つなので、まずは敷居の高さを下げ、社内へ普及し平準化することを最優先課題としました。社内外で協力し、とにかくツールに触れる機会を増やした結果、現在のように浸透し、定着しつつあります。
間所:その際に営業推進課様としてどのようなことを意識されていたのでしょうか。
土田様:ROOVはあくまで接客ツールの1つであって、有効活用してくださいね、というスタンスはずっと意識しています。「使うこと」自体が目的になってしまっては本末転倒なので、ツールの提案と改善を通じ、どのように販売員全員が使えるようになるのを目指すか、ということではないかと考えています。
ROOVの肝はお客様への情報シェア
間所:デジタルツールへの抵抗感をなくせるような仕組みのあり方を我々なりに考え、現在のROOVをご提供させていただいていますが、実際にご利用いただく中で良い点、逆にもう少し頑張って欲しいと思われる点についてご意見を伺えますか。
土田様:導入を進めた我々は、ROOVの接客ツールとしての魅力や機能の便利さを理解していますが、販売現場スタッフや組織全体への認知や浸透というのはなかなか難しいと感じています。情報とツールを提供するうえで、現場スタッフへの理解度を上げることが最優先の課題と考えているので、もちろん社内でも我々が現地をサポートしていきますが、スタイルポートさんから「こういう使い方ができます」とか「こういう展開ができます」といったご提案やサポートをいただけると大変助かります。
間所:もちろんです。
土田様:良い点については、ROOVはコンテンツをお客さまとシェアできることが、一つの肝だと思っています。お客様にマンションギャラリーにご来場いただいてお見せするだけでなく、ご自宅に戻られても閲覧して検討いただけます。更に言うとご来場いただかなくても、コンテンツをお見せすることでご検討いただけるので、情報を公開する・シェアするメリットを、もっと現地スタッフへアピールしていかなければと思っています。
間所:情報開示については「出さないと勝てない」「出したら勝てない」という、両方の考え方があるのも事実ですよね。
土田様:お客様への情報開示に対し抵抗を感じる気持ちの根源には、お客様に情報を提供し過ぎてしまうとギャラリーに出向いてもらえないのでは、商談の機会を失ってしまうのでは、検討物件候補に挙げてもらえないのでは、という不安があります。
間所:ただ、情報が少ないとお客様の選択肢から排除されてしまう懸念もありますよね。
土田様:はい。私はどちらかというと、お客様に検討材料としてある程度の情報を提供することで、お客様にお選びいただけるようにしたいという思いが強いです。考え方はいろいろあると思いますし、もちろんすべてをつまびらかにするのではなく、開示する範囲の検討は必要だと考えています。
間所:ROOVであれば情報の公開範囲のカスタマイズが可能です。
土田様:その点がROOVの強みなのではないでしょうか。ROOVで適切な情報提供をしていけば、販売する側・購入する側双方にとって非常に有益なのではないかと思っています。
地方都市での展開においてオンライン商談は必要不可欠に
間所:コロナ前後から首都圏の特に東京23区から連続転出超過というデータもあり、地方への移住が増加しているという動きがあります。地方都市でのマンション開発を行う穴吹工務店様におかれましてはこのような状況をどのようにお感じでしょうか。
土田様:私個人の感覚としては思ったほどコロナの影響はなかったと感じていますが、オンライン商談に限って言えば、コロナをきっかけにお問合せいただいたお客様は一定数いらっしゃいます。以前と比べて、例えば「会社がリモート勤務で大丈夫になったので検討します」といったように検討理由や購入理由に影響しているのは間違いないと思います。
間所:オンライン商談と御社の強みである地方都市展開の相性はいかがでしょうか。
オンライン商談で購入された方のデータを見ると、約9割は県外居住者の方にご検討いただきました。遠方に住んでいる方が、何かしらの地縁があって購入されるケースが多いです。当社の強みである地方都市展開に加え、オンライン商談やデジタルツールが使えるようになったことによる、地方での差別化には手応えを感じています。
間所:オンライン商談を利用されたお客様の印象的なケースがあれば教えてください。
土田様:オンライン商談のみで、一度もギャラリーに来場されずご契約に至った案件があり、社内で大きなインパクトがありました。一度もモデルルームを見ることなく契約されるお客様がいらっしゃる、では今後そういったお客様への対応をどのようにしていくか、といった話題も出ています。まだ未知数ですが、オンライン商談を1つの武器として、当社の地方都市での展開を再アピールするきっかけとなり、次の飛躍につなげていければと考えています。また、海外からご検討いただくお客様に対してもオンライン商談は有効ですね。
間所:DXやデジタルの活用は経営的にも重要だと感じています。地方物件の場合、移動が大変だったり広域に知ってもらうこと自体が難しい。今まではそこまでPRしなくても近隣の方に購入していただけていても、遠方からの購入希望者に対しては、デジタルツールの使い方が双方にとって大きなテーマになってきますよね。
川田様:会社の方針として「模型を作るのをやめましょう」「モデルルームを作るのをやめましょう」という話もありましたが、そうは言っても「モデルルームもリアル模型も部分的にはまだ必要だ」という意見がまだ優勢です。
間所:リアルなものを全く見ずに買うというよりは、何か実際に見て・触って買いたいというお客様が多いのでしょうか。
川田様:我々のメインの物件は地方都市が多いこともあり、そういったお客さまは多いですね。近隣エリアに存在する複数のプロジェクトを「プラザ」という形で1箇所に集約できたらいいですね。「プラザ」にお越しいただければ、サンプルルームをご確認いただき、ROOVを利用してお客さま毎にご希望の物件情報をバーチャルなコンテンツで提供し、訴求していくことを考えています。販売拠点自体を集約し、コンパクト化することで人的リソースの問題も解決できるので、徐々にシフトできればと思っています。
今後のROOVへの期待
間所:ROOVに今後期待する機能はございますか。
川田様:例えばですが、アンケート機能が欲しいですね。
間所:ROOV compass上でお客様へのアンケートも実施できるようにしたいということですね。
川田様:ROOVはお客様に情報を共有するツールであるというだけでなく、販売現場で対面営業する際の資料を格納する場所、という使い方ができてとても良いと思っています。
間所:サーパス高崎連雀町様にROOVのご利用について取材させていただいた際、スマートにお客様にご案内できる点が非常に優秀だとお褒めいただきました。
川田様:以前は、『アプローチブック』という、資料をまとめた1つの紙資料の冊子を自分で作り、営業活動を行うのが通例でした。ですが、今の時代に合った提案の仕方があるのではないか、何百~千万円と高額な商品を扱う中で、お客様に紙の資料を都度出してご説明するのではなく、時代に見合ったスマートなやり方があるのではないか、と改善したい気持ちがありました。
間所:「マンションギャラリーでの体験をすベてこの中で」と謳わせていただいています。
川田様:また、今後の展開としてもう1つのアイデアは、難しいかもしれませんが、ROOVというツール自体を資料請求や来場予約、その後の検討などの状況把握に使えたら、データ分析がより一層進むのではないかと思っています。ただこれは弊社だけでなく、業界全体、各会社様の各物件のホームページとの連携が必要になるので、なかなかすべてを分析するのは難しいとは思います。もしそれが実現できたら、お客様がホームページのどこを見ているのかがわかるヒートマップなど、ROOVを入り口にさまざまなデータ分析につながる可能性を感じます。
間所:ありがとうございます。貴重なご意見をいただきながら開発に反映させ、より良いサービスに近づけていきたいと思っています。
川田様:最近よく見聞きする「メタバース」ですが、素人ながら、ROOV自体も今後そうなっていくのではと予想します。今のROOVはいわば「箱」のような感じで、箱の中に作られた部屋に入って資料を見るツールですが、次の段階として、サーパスの世界に入って各物件を見て回ることができ、仮想世界に各物件のモデルルームが存在し、お客さまが内覧できるような、そんな世界が将来的に実現できたらと考えたりもしています。
間所:ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
※感染症対策のうえ取材を行い、撮影時のみマスクを外しご対応いただきました。
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